2006年4月25日 (火)

AQUA

漫画です。ecryuaさまのブログで紹介されていました。彼は真面目に見えて、こっち系も好きな軽いヲタクであることがわかりました。で、たぶん彼よりヲタクな自分は、よさそうなので読んでみました。

作者は天野こずえさん。

 

惑星改造で水の星になった火星を「AQUA」という世界です。

そこにネオ・ヴェネチアという街があり、いまのヴェネチアのように、ゴンドラで街中を行き来します。これは、そこでゴンドラの女性案内役、「ウンディーネ(水先案内人)」になるために地球(マンホーム、と呼んでいます)から来た、水無灯里(みずなしあかり)さんが主人公の物語です。

ちょっとアニメ系の女の子たちが主人公で、男性はおじさんしか出てきません。だから恋の物語ではありません。先輩ウンディーネアリシアさんへの憧れと、ウンディーネへなることの経過を描いた物語です。

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恋愛ものではなく、ギャルゲー的要素もなく、エッチでもありません。

物語は、灯里が、見習いから半人前になるまでです。

お友達になった同じウンディーネ志望、藍華ちゃんとの掛け合いも楽しいです。

 

 

とにかく景色がいいです。

水路、ゴンドラ、運河、すれ違う商売用ゴンドラに乗るおじさん、風力発電のファン。

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すでにフィギアもあるらしく、デフォルメですが。

火星がテラフォーミング(惑星改造)から150年しかたっていないので、すべてはこの100年程度に作られたものです。でも地球の風景より懐かしい雰囲気があるのはなぜでしょう。そのころ地球は無味乾燥な建物で覆い尽くされているらしいです。

最後の風景は、運河を遡った丘の上から、ネオ・ヴェネチアを一望できるシーンです。

 

 

このへんで、なんか、ほろり、です。

人間はいったい何をやっているのでしょう。地球の古い文化を捨てて、AQUAに古きよき地球を再現しようとしているのでしょうか。そしてその再現でさえ、この100年そこそこの間に人間が新しく作ったものです。何をやっているのでしょう、人間は。

灯里の明るさ、健気さと対比して、美しい景色と対比して、そんな人間のやるせなさがこれから書かれていくのかもしれません。なぞのにゃんこ王国の招待も気になるところです。

 

絵柄がだめな人は受け付けない物語だとは思います。コマによっては「アホ毛」も書かれているので、明らかにアニメ系統にカテゴリーされる絵柄です。

でも本当に素直な物語です。

泣きの種類にもいろいろあります。

ほんのり、涙ぐみたい方はどうぞ。

 

 

 

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2006年4月21日 (金)

ニコ・ロビンのこと

いかな泣きオトコといえ、少年ジャンプ立ち読みしながら涙ぐんだのは初めてでした。本屋の中とか、電車の中とかでクるのは、思い切りいけなくてなんか勿体無いですね。

 

有名マンガ・アニメ「ワンピース」です。架空の世界での海賊の話で、ルフィという少年が主人公です。ワキを男三人(と一匹?)女二人で、航海をしています。船で旅し、行く先々の島でいろいろな事件に逢い、仲間を増やしてゆきます。

 

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今のところ一番新しい仲間、ニコ・ロビン

「得意なものは何だい?」

      「あん・さ・つ♡」

 

8歳にして軍艦6隻を沈めたといわれる女。

「オハラの悪魔達」の生き残り。

七千九百万ベリーの賞金首、逃亡暦20年。

関わった組織を全て壊滅させてきた、クールでお洒落な美女。

少年誌では書けないこと、もいろいろとあったはずです。

 

自分でもつい、おねーさま♡、と呼びたくなってしまう風格。

Robin

 

ワンピースの登場人物の多くは、「悪魔の実」とやらを食べた、「能力者」です。彼女は「ハナハナの実」とやらを食べ、自分の腕を何処にでも生やし、咲かすことができます。得意技は相手の体に自分の腕を生やした関節技、締め技。古代の文字が読める、考古学者で、古文書を探すためにルフィ一行に加わります。

Nicorobin

 

そんな彼女が遂に「世界政府」とやらに捕らえられてしまいます。ルフィたちは彼女を助けに行きます。彼女は彼らを助けることを条件に捕らえられます。

 

「帰って!!! 私はもうあなた達の顔も見たくないのに!!! どうして助けに来たりするの!!! 私がいつそうしてと頼んだの!!! 私はもう・・・・死にたいのよ!!!!!」

 

「頼むからよ!!ロビン・・・!!!死ぬとかなんとか・・・何言っても構わねえからよ!!!! そういうことはお前・・・  おれ達のそばで言え!!!!! あとはおれ達に任せろ!!!!!!」

 

見開きページ、仲間六人勢揃い仁王立ち。

 

 

 

 

 

 

本編はこの後、ロビンの過去に飛びます。

世界政府に追われることになった理由が明らかになります。

 

 

 

 

 

 

「私があなた達と一緒にいたいと望めば望む程、私の運命があなた達に牙をむく!! 私には海をどこまで進んでも振りはらえない巨大な敵がいる!!! 私の敵は・・・”世界”と その”闇”だから・・・・・・・・・!! いつか重荷に思う!!いつか私を裏切って捨てるに決まってる!!!それが一番恐いの!!!・・・・・・だから助けに来てほしくもなかった!!! いつか落とす命なら 私は今ここで死にたい!!!!」

 

「ロビン!!! まだお前の口から聞いてねェ    

 『生きたい』と言えェ!!!!」

 

生きる・・・・!? 望んではいけないことだと思ってた・・・ 誰もそれを許してくれなかった もし本当に少しだけ 望みを言っていいのなら・・・・ 私は

「生ぎたい!!!! ・・・!!!

  私も一緒に 海へ連れてって!!!」

クールなロビン、涙と鼻水でぐじゃぐじゃの顔。

 

 

 

 

 

ジャンプのモットー「友情・努力・勝利」ですが。弱いです、やっぱり。

もう台詞はほとんど書いちゃいましたけど。

でも立ち読みでも読んでみてください。絵が付くと又全然違います。

最新刊41巻です。前後の流れわかんなくても一冊だけで充分です。

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「ブリーチ」でルキア復活、袖白雪!のときも、ちょっと来ました。

 

また長かった、毎度お付き合いいただきありがとうございます。

 

 

 

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2006年4月13日 (木)

「ヒロシマ」

作品は、「夕凪の街 桜の国」 こうの史代さん作 の「夕凪の街」。

ご存知の通りカタカナで「ヒロシマ」と書くときは、

漢字の「広島」とは違う意味があります。

「はだしのゲン」が有名ですが、

他に正面から向き合った作品を知りませんでした。

 

 

 

女友達に借りた本です。

ていうか、「のだめ」を回し借りするついでに送られてきました。

 

とても暖かい絵柄、表紙は水彩で、桜の花咲く土手の上を裸足で歩く女の人が描かれています。

見開きカラーのタイトルページがあり、物語は始まります。主人公の女性、皆実の服装で、おおむね時代が読み取れ、読み進んでいくうちに看板、貼紙などから「廣島」「原爆」「十周年」「立ち退き反対」の文字が読み取れ、

ああ、そういう物語か。

とだんだんと理解させてくれます。そういう物語です。その時代、そこにいた人たちが何を見、何に触れ、何を記憶し、どういう暮らしをし、どういうことを考え、どういう恋をし、どんなことを感じていたか。どんなふうに悲しみ、怒り、笑い、泣いたか、ただそれだけの物語を、優しく暖かい絵柄で描いただけです。

自分の体に何が起きたか、を知らされていなかっただけで。

 

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泣き所は、キスシーン。

西平和大橋、ここで皆実は、好きな男の人とキスをします。

皆実の、あのときこの橋で見たものがフラッシュバックします。

この瞬間は、文章では表現が追いつきません。

映画では、この心象と位置関係を表せません。 

マンガでなければ出来ないことが、あるんです。

 

「桜の国」も、この後日談です。その間、ずっと泣き通しでした。

この晩は、恥ずかしながら文字通りの「泣き寝入り」をしました。

 

 

 

白状します。

自分「ヒロシマ」、正面から向き合ったことがありませんでした。

反面的な言い方ですが、

この本を貸してくれた彼女の、元気の源を見た気がします。 

これを機会に、よろしかったら、↓こちらを。

http://www.pcf.city.hiroshima.jp/

 

 

 

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2006年3月 5日 (日)

エウレカセブン

日曜朝七時から放映中です。

実はまだあまりよく知りません。

前回と今回と、DVD1~3話見ただけですので。

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まえから気になっていたんですが、タイトルがサザンの「エロチカセブン」と似てて、で変な先入観ができてて、それだけのことなんですがなかなか踏み切れませんでした。中央が主人公の二人。

 

 

 

もうずいぶん昔に宇宙に進出した人類の、これはその中の一つの星の物語で、大気成分に「トラパー」というのがあり、その流れを読むとボードで乗ること=飛ぶことができます。ヒト型ロボットもこの流れに乗り、ボードで空を飛びます。当然軍の戦闘機のような役割を持たされ、その軍から抜けた「ゲッコーステート」という連中と主人公は行動をともにしています。ヒト型ロボットであることに理由もあるようなんですが、自分にはまだ良くわかりません。

今回は、「ゲッコーステート」と戦っていた軍の艦長(?軍団長?)であるユルゲンスが、彼らの考えに賛同し、軍を抜ける、という演説をぶちます。

 

 

「立ちはだかるのは万の数の敵だ。それでもこの世界を守るために共に立ち上がろうという者は心より歓迎する。去る者は……、いつかまた必ずこの星の上で会おう」

 

 

この手の名演説はなかなか出会えるものではなく、これだけでも結構涙、聞かせてくれます。当然反応も「なにをいまさら」という者「何人奴らに殺されたと思っているんだ」という者、雑多です。

 

でも今回の自分の泣き所は、ユルゲンスの副官(?秘書?誰か教えてください)の対応。

演説をぶち終わって、いすにどかっと腰を下ろし、ほっと一服しようとするユルゲンスに、普段と同じように、ねぎらうでもなく、事務的に、彼女は一言。

 

 

「艦橋は禁煙です、艦長。」

 

 

たぶんユルゲンスはいつも彼女にこの手の注意を受けているのでしょう。そして彼女は、驚くでも、悲しむでもなく、ユルゲンスの対応を受け入れています。そんなことは当然、前から覚悟していましたよ、と言わんばかりの平常心の、オトナ、の対応。

ホントはそこの画像入れたかったんだけれど、見つからなかった…。

あんまり見てないんで間違ってるかもしれません。でもいい年のオヤジもジジイも出てきて、こんな洒落た台詞回しができる物語がつまらないわけが無い。

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遅くなりましたが、エウレカ、見ます。

 

 

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2006年2月27日 (月)

やっぱ、ナウシカ

ちょっと前にTVでやってましたね。

子供が見たがったんだけど、ちょっと遅かったんで、ビデオ持ってるから、明日ね、ってことで、翌日見ました。宮崎駿さん、むかしから好きで、「ルパン・カリオストロの城」「未来少年コナン・特にインダストリア編」とか。

で、これは、珍しく買ってしまった作品です。

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すいません、いまさらストーリー紹介はしません。

 

CGは無いはずなのに、今でも見ごたえのある絵。

ひとつひとつ動く、ひとつひとつセル画を重ねた王蟲の節。

画面にいつも吹いている風。いつもなびいている髪、木々、雲。

舞い上がる土煙、流れる水。

風が止まったとき、大変なことが起きる。

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あらためて、20年前のアニメの、その出来に再感動。

 

   

 

「行け、ナウシカ!」「アスベル!!」

「私の夫となるものは、さらにおぞましきものを見るだろう。」

「二流軍人に回ってきた、久しく忘れていた野心を思い出させる、機会か、それとも罠か。」

「おお、古き言い伝えはまことであった。」

 

 

腐海の上でマスクをはずすナウシカ。

桁違いに強いユパ様。

両手を広げて飛び込むナウシカ。

焼き払われる王蟲。

腐れ落ちる巨神兵。

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ひたむきで、強く、優しいナウシカ。それでいて少女の初々しさ、可愛さがあり。

姫様のためなら死んでもいいと思う、いつの間にかユパ様の歳になっている自分。

まだまだこれから、いろいろ大変なことが待っている、全面的にハッピーにはなりえない、通過点に過ぎないハッピーエンド。あちこち泣き所満載。

 

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ある意味、お姫様としては迷惑な、とんでもない性格ですが。

だけど、やっぱ、ナウシカでしょ。

 

 

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2006年2月25日 (土)

不死の一族のその後

「あぶない丘の家」

萩尾望都さん、モー様です。

トモダチから、ムチャクチャな話、と言われてちょっとさみしいです。

で、いまんとこその最終話の「あぶない未来少年」について。

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人類の終末を迎えた未来から、一人の少年がやってきます。

名前はジーン。ある人を追って現代へやってきます。

そのある人の導きで、遊羽と美衣という、兄妹とめぐりあうことになります。

「あぶない」シリーズの主人公は他に居るのですが、このお話の主人公はこの三人です。

 

 

 

遊羽はエドガーを、美衣はメリーベルを、それぞれ16才くらいにしたように見えます。

ただしジーンはアランではなく、メッシュ、を思わせます。

泣けたのは、ストーリーではなく、ラストです。

いや、もちろん、ストーリーは一級品ですよ。そこらのSF小説や映画なんか敵わないくらい。

 

 

 

ジーンが希望を持って未来へ帰ることになります。そこに登場人物がほぼ揃っています。ジーンは美衣を、美衣はジーンが好きです。美衣はジーンについて行きたいのですが、遊羽のてまえ、はっきりとした態度を取ることができません。その時遊羽は、美衣の背中を押します。行け、と。

ゆう? みい? ジーン?

あなた? わたし? 遺伝子?

なんて人を食った命名でしょう。

 

メッシュは、自分の行き先を決めることができました。

エドガーは、メリーベルがしたいことを、させてやることができました。

アランの元に、送ってやることはできなかったけれど。

 

深読みしすぎかもしれませんが、未完の物語の完結編を、ここで描いてもらえたような気がして、嬉しくて、泣けてきました。希望のある未来を示してくれて。

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あと行方知れずなのは、キリアン・ブルンスウィッグ。

壁はもう壊れているよ。どこにいるの。

 

 

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2006年2月23日 (木)

何故ファーストガンダムがいいのか

世の中、トリノや、メールですが、ガンダムです。ファーストです。

定番過ぎてつまんないですか?

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ミハルが落ちたときでも、マチルダさんがつぶされたときでも、ララァが死んじゃったときでもありません。

ラストです。

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シャアのジオング、アムロのガンダムとも傷ついて、生身で戦い、決着が付かず、アムロが落ちていきます。

ララァの助けを借りたニュータイプの精神感応能力で、ホワイトベースのみんなを脱出経路に誘導し救いながら。化け物扱いされていたニュータイプの、未来への可能性を示してくれた。でもアムロ本人は、もう自分は助からないものと思っています。

その間、シャアの台詞もとてもかっこいいです。

ここでまずほろり、です。

 

そのとき、頭と片腕を破壊されたガンダムが下に横たわっていることを発見し、あることにアムロは気付きます。そう、コアファイターが生きていることに。

 

コアファイターって、合体変形のためにもともと玩具メーカーからの希望で入った設定で、上半身と下半身をつないでる部分に入る、一応戦闘機、です。設定としてはパイロットの命と、戦闘スキルが記録されたメモリーを回収するための脱出ポッドも兼ねているとのことでした。でも、あんなものが腹部に入ったら腰捻れないし、ファイター時の翼も無理な形だし、単独では戦力にはならないし。そういえばGアーマーとかいうのももあって、これも無理やりの合体メカでした。でもリアリティにこだわる製作スタッフたちは。一生懸命ストーリーの中に組み入れて、なんとか使っていましたよね。それでもZガンダムの変形システムよりはましだったな。

 

 

そのおもちゃのための設定のコアファイターが、ラストでこんな大事な役割を与えられるなんて思ってもみませんでした。

胴体部分無傷のガンダムのコアファイターは、生きていたのです。

もちろん命が一番大事。ガンダムだけでなく乗ってきた船、ホワイトベースも捨てられていく。使い物にならない武器は、当然捨てるのがリアリティです。主役ロボットを捨てていくラストを、それまでのアニメで見たことは無かった。主役ロボットはヒーローですから、未知の力の発動でも根性でもなんでも、とにかく最後まで生き残っているものでした。

 

そのコアファイターに乗って脱出。

生かすなよ、こんなところで、そんなおもちゃ用の設定、と。じわっときて。

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アムロを、純粋な気持ちの子供たち三人、カツ、レツ、キッカが誘導します。精神感応で。

そして最後の台詞

「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない。わかってくれるよね?ララァにはいつでも会いに行けるから」

生きていく、希望。こんなハッピーエンドは予想していませんでした。

 

 

これで涙です。ぼろぼろです。

毎回次回予告で「君は生き残ることができるか」と言ってました。

最高の形で、生き残ったわけです。

このラストがあったからこそ、その後の伝説が出来たものと思っています。

 

 

 

おかげで、その後の自分の趣味嗜好から、アニメは外せないものになってしまいました。

困ったものです。

 

  

 

その後のアニメいろいろについても、ぼちぼち書いていきます。

  

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2006年2月17日 (金)

宇宙戦艦ヤマト:幻のラストシーン

歳がばればれになりますが、宇宙戦艦ヤマト。

続編がたくさん作られていますが、それらはどうでもいいです。

ガンダムに倣って「ファースト」ヤマトと呼びましょうか。

ご存知のとおり、ガミラス帝国の爆弾で放射能汚染された地球を救うため、イスカンダル星を目指す宇宙船の物語です。沈没した旧時代の遺物を改造して飛ばすなんて何てわざわざ非効率なことを、とか、エネルギー充填120%までいっちゃったら危ないじゃないか、とかの突っ込みはさておき、当時としては画期的アニメでした。

なんといっても地球はすでに滅亡寸前だし、軍備があって軍人が居て、ヤマトもその中の一艦に過ぎず、みんなが戦争をしてるんだ、という設定は新鮮でした。

エスカレーターの最後の1~2段を歩いて上る絵とか、艦載機が発進する際に一回少し下に下がってからまた上がっていく(実際の空母からの発進の動きはそうなる。あとでこれは無重力空間ではありえないと理解しましたが)描写とか、ガミラス人がいきなり日本語を話すのではなく、ガミラス語を話すこととか、その程度のことでとてもリアルなアニメだと感じ、毎回夢中になったものです。

 

 

そのファーストヤマト、最初の放映時の最終回、エンドマークが出て、後テーマも終わり、ああ、終わったよ、と暫くその後のCMをぼーっと見ていました。

 

 

すると突然、放射能で冒された赤い地球が、だんだん元の青さを取り戻す画像が、ほんの5~10秒放映されたのです。

これにはやられてしまいました。

 

ああ、よかった、このために帰ってきたんだよな、と、沖田艦長が死んでしまったときにこらえていた涙が溢れてしまいました。

そして、このラストは、その後何回もの再放送時にも、二度と画面に映されることはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

後テーマのときに登場人物の後日談的な絵を流したりすることはありますが、CM挟んでそんな絵を入れてきた番組は後にも先にも記憶にありません。他に同様な例をご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示ください。

実はファーストだけではなく、「さらば宇宙戦艦ヤマト」というその後の映画版で、登場人物が片っ端から死んでいく様には涙させられましたが、その後TV版ではちゃっかり死ななかったことになっていたので、こちらは反則として封印します。

 

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2006年2月13日 (月)

おとめちっくマンガ

昔、まだオタクがオタクと名付けられていなかった頃、少女マンガファンでした。

自分たちの世代がマンガ(それも少女マンガ)を読んでいることについて、上の世代は今でもやっぱり理解しません。

自分にはしばらくブランクがあって、でもその間彼女たちは描くことをやめてしまうのではなく、新作を出し続けているのでした。

久しぶりに昔の友達と連絡が付いたのをきっかけに、新作を買ってみました。

 

 

当時は自分も、描かれている主人公たちもほぼ学生でしたが、今はOL、主婦です。

掲載誌も当然、りぼん、ではなく、YOUとかになっていて、学生の頃りぼんを買うのに抵抗が無かった若気の至りが今は無く、さすがにいいおっさんがYOUをレジに持っていけません。

なぜなんでしょう。 

それでもなんとか、単行本は買いました。

 

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作品は、「NO・ブランド」、作者はもちろん田渕由美子さん。

表紙絵で、もうおへそ出してるし。

 

 

このひとと陸奥A子さんのために「おとめちっくマンガ」というカテゴリーが出来たというのは通説になってるようですね。

この中の「サザンウィンド」という作品。

昔は「りぼん」掲載だったのでタブーだったベッドシーンも今はあり、カップルがくっつく、離れるというかたちも、結婚、離婚という形になり、特にこの作品は「堕胎」が原因で結婚という責任をとった形になったオトコと、その釣り仲間で、10年も片想いしていたオンナの話で、でもおとめちっくマンガですから当然、ハッピーエンドになるんです。

それもハッピーの始まり、予感、のところでエンドマーク。恋するココロの、いちばんいいところです。

経緯に個人的な経験も重なる部分があり、まったく期せずして泣かされてしまいました。田渕由美子さんで泣かされるとは予想もしませんでした。

個人的な部分を突かれたので、この泣きには普遍性はありません。でも歳を重ねた田渕さんを、歳を重ねた自分が泣けたことが嬉しくもあり。

 

 

 

 

彼女たちの後、おとめちっく、というジャンルは残っていません。

「おとめちっくマンガ」は、ジャンルではなく、自分たちの世代の特質だったのかも、

いやそれとも普遍化してしまったのかも、と思う今日この頃です。 

 

 

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