AQUA
漫画です。ecryuaさまのブログで紹介されていました。彼は真面目に見えて、こっち系も好きな軽いヲタクであることがわかりました。で、たぶん彼よりヲタクな自分は、よさそうなので読んでみました。
作者は天野こずえさん。
惑星改造で水の星になった火星を「AQUA」という世界です。
そこにネオ・ヴェネチアという街があり、いまのヴェネチアのように、ゴンドラで街中を行き来します。これは、そこでゴンドラの女性案内役、「ウンディーネ(水先案内人)」になるために地球(マンホーム、と呼んでいます)から来た、水無灯里(みずなしあかり)さんが主人公の物語です。
ちょっとアニメ系の女の子たちが主人公で、男性はおじさんしか出てきません。だから恋の物語ではありません。先輩ウンディーネアリシアさんへの憧れと、ウンディーネへなることの経過を描いた物語です。
恋愛ものではなく、ギャルゲー的要素もなく、エッチでもありません。
物語は、灯里が、見習いから半人前になるまでです。
お友達になった同じウンディーネ志望、藍華ちゃんとの掛け合いも楽しいです。
とにかく景色がいいです。
水路、ゴンドラ、運河、すれ違う商売用ゴンドラに乗るおじさん、風力発電のファン。
すでにフィギアもあるらしく、デフォルメですが。
火星がテラフォーミング(惑星改造)から150年しかたっていないので、すべてはこの100年程度に作られたものです。でも地球の風景より懐かしい雰囲気があるのはなぜでしょう。そのころ地球は無味乾燥な建物で覆い尽くされているらしいです。
最後の風景は、運河を遡った丘の上から、ネオ・ヴェネチアを一望できるシーンです。
このへんで、なんか、ほろり、です。
人間はいったい何をやっているのでしょう。地球の古い文化を捨てて、AQUAに古きよき地球を再現しようとしているのでしょうか。そしてその再現でさえ、この100年そこそこの間に人間が新しく作ったものです。何をやっているのでしょう、人間は。
灯里の明るさ、健気さと対比して、美しい景色と対比して、そんな人間のやるせなさがこれから書かれていくのかもしれません。なぞのにゃんこ王国の招待も気になるところです。
絵柄がだめな人は受け付けない物語だとは思います。コマによっては「アホ毛」も書かれているので、明らかにアニメ系統にカテゴリーされる絵柄です。
でも本当に素直な物語です。
泣きの種類にもいろいろあります。
ほんのり、涙ぐみたい方はどうぞ。
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